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猫版画・絵描き Sionさんインタビュー

猫版画・絵描きのSionさんは、幼少期から猫や犬と生活を共にし、特に猫が好きでした。それまでは漫画やコミックイラストを描いていましたが、ある時動物園で大きな猫科の動物を見て、筋肉や骨格、表情に目も心も奪われ、一緒に暮らす4匹の猫をモデルに絵を描き始め、少しずつ猫の版画や絵でお金を得るようになりました。猫絵描きになって5年目、「自分の絵の作風」を模索しながら今出しきれる全力で作品と向き合っているSionさんに、この企画を始めたきっかけや、創作活動の内容や思いなどをうかがいました。

■世の中が大変なとき、自分にできることは絵を描くこと

▲「おうち猫ちゃん描きます企画・愛猫モチーフ」
ペン画・白インク・色鉛筆使用。クラフト紙。2020年制作
(絵の中に入っている文字は盗作防止用です)

Q: Twitterで「あなたのおうちの猫ちゃん描きます企画」を始めたのはなぜですか?

Twitterで、愛猫の絵を描いてほしい人を募集してプレゼントするこの企画は、今の新型肺炎で大変な世の中で、自分にできることは何があるかと考えると、作家としての経験と絵を描くことでした。家の中で過ごす機会が多くなり、身近に好きな絵があると癒しになります。けれども、作家さんのオーダーメイドの絵は高くて、ほとんどの方が絵を依頼したり飾る習慣は少ないかもしれません。それでも愛猫の絵であれば、愛着も沸いて、カジュアルにお家に飾れるのではないかと思ったんです。

Q:無料で絵を描いてプレゼントするのは大変ではないですか?

金銭的なことを考えなかったのは、作家特有のプライドみたいなものに嫌気がさしていたことや、単純に私の修行のためにたくさん猫ちゃんを描きたいという気持ちがあったからです。私は修業ができて、描いてさしあげた方が喜んで笑顔になってくださる。win-win(ウィンウィン)だなという感じです。それが今の大変な世の中に癒しをもたらすことであれば、こんなに嬉しいことはありません。この企画はどなたでも参加していただけるし、新型肺炎が終息するまで開催します。また、原画購入希望の方には2000円+送料180円でお譲りしています。

▲「まねきねこ」リノカット版画。二色刷り。
金インク・朱インク使用。2018年制作

■モノクロの版画の世界に魅せられて木版画を制作

Q:もともとは猫の版画を制作していたそうですね。

まだクリエイターとして活動していない頃、坂本千明さんの紙版画を見て「モノクロームの世界だけでこんなに味のある、あたたかい作品が作れるんだ」と感動して、周りに版画を制作している方がいないこと、モノクロームのシンプルさ、味に惹かれて版画を製作するようになりました。紙版画の制作の仕方がわからなかったので木版画から始めましたが、シルクスクリーンが好きだったこともあり、次々と制作するようになりました。

▲「南天と子猫」ペン画・白インク・色鉛筆使用。
バフン紙。愛猫モチーフ。2020年制作

Q:版画からイラストを制作するようになったきっかけは?

去年の末に首の脊髄を痛めたことから版画を掘るには体力が足りず、負荷も大きいため、もともと版画制作の合間に好きで描いていたボールペン画を猫イラストとして描くようになりました。精密で細かい絵が好きなこともあって、版画で描けないものが描ける楽しさに引き込まれて毎日描くようになりました。

■難しくても猫を描く工程はすべて楽しい

Q: 猫を描いて楽しいことと難しいことは?

難しいのは猫の骨格、デッサンでしょうか。描くときはまず骨格を描いて、デッサンをし、ディフォルメしてペン入れをします。難しくもあり楽しくもある作業です。また、私は目が不自由なため、色が識別できません。大体の色は分かりますが同じ色にすることが大変難しいのですが、写真と他人に見えている色がぴったり合ったときは最大の喜びです。絵の始まりから終わりまで、描く工程すべてが楽しくて仕方がないです。

Q:現在の創作活動について教えてください。

現在は、ギャラリーの展示に参加することがメインで、あとは「おうちの猫ちゃんを描きます企画」の猫を毎日描いています。持病のため遠出ができないので、年に数回ですが、クリエーターズマーケット(名古屋)や、ニャンズマーケット(大阪)に出展しています。また、猫モノのグッズを制作しハンドメイド通販サイトのminneで販売しています。

▲「檜のブローチ・双子」(¥1,200)

▲「ネコックさん木製キーホルダー」(¥700)

▲「まねきねこトートバック」シルクスクリー・手刷り(¥2,000)

▲「長靴をはいた猫Tシャツ」シルクスクリーン・手刷り(¥3,000)

Q:ボランティア活動にも取り組まれていますね。

ボランティア活動は、娘に障がいがあり、これまでたくさんの方に支えられ助けていただいたので、自分も何か人を支えることができないかと考え、猫ちゃんや震災で被災した方を、チャリティー展示やチャリティー通販で支援できるのではないか、と思い始めました。恩返しと言っては大袈裟ですが、たくさんの助ける手があれば、それがたくさん集まれば大きな助けになります。子どもや猫、犬など、たくさんの命に繋げられるようにお手伝いできればと思って続けています。そして、尊敬する画家・漫画家の井上雄彦さんが東日本大震災で子どもたちの絵を毎日描いていたことも大きなきっかけとなりました。

Q:4匹の猫ちゃんとの暮らしはいかがですか?

4匹の猫たちは毎日の生活に癒しや笑顔をくれます。そして、自由な生き方が、私を自分らしくさせてくれます。家族であり、大切なパートナーですね。

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Sionさん プロフィール

1980年 愛知県名古屋市生まれ
2015年 愛猫をモチーフに版画制作開始
2019年12月 首の脊髄損傷で版画が彫れなくなりペン画による様々な猫を描き始める
2020年 「おうちの猫ちゃん描きます企画」を始める

名古屋在住。
1人の愛娘と4頭の猫とのんびり暮らしている

 

Twitter https://twitter.com/sion_nekoekaki
グッズ販売(minne)  https://minne.com/@sion-cat

イベント情報

自主企画「あなたのおうちの猫ちゃん描きます企画・第二弾」新型肺炎終息まで開催。
Twitterで、毎週日曜に希望者を募り、抽選で毎回8名の愛猫を描いてプレゼントする企画です。
詳細はTwitterにて。

名称猫版画・絵描き Sionさんインタビュー
URLhttps://minne.com/@sion-cat

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