20180514-01

外傷がなくても安心できない!カメさんが落下したらするべきこと

前回の記事では、カメさんの脱出防止網の必要性についてご説明しました。
室外で脱出してしまった場合、探すのが困難になるだけでなく、最悪の場合、高所から落ちてケガをしてしまう可能性があるでしょう。

カメさんがベランダなどから落下しないよう徹底した対策を行うことが重要です。
しかしながら、万一カメさんが高所から落下してしまったら、飼い主さんはどのような行動をとればよいのでしょうか。

今回は、カメが高所から落下したときにするべきことについてご説明します。

【もしカメがベランダから落下したら、飼い主さんはどうすれば良い?】

その1 むやみやたらに動かさない
その2 外傷がなくても安心しない
その3 エサを与えず飼育環境を整える

その1 むやみやたらに動かさない

カメさんが脱出する能力は案外強いものです。
脱出防止網を張るなど対策を行っていても、簡単にクリアされてしまうことがあります。
しかし、カメにとって落下事故は命の危険を脅かすもの。

特に、高所(建物の2階以上)から落下してしまうと、外傷を負ったり内臓にダメージが加わったりする恐れがあります。ベランダから地面の距離が長ければ長いほどそのリスクは高まるでしょう。
また、落ちた場所がフカフカのベッドの上か硬いコンクリートの上かによってもダメージの大きさは異なります。当然、後者の方がカメにとっては危険です。
ダメージの大きさによっては即死してしまう可能性があります。飼い主さんは細心の注意を払っておくべきでしょう。

そして、万が一落下してしまった場合、むやみやたらに動かさないようにします。
安静にさせ、なるべく早く獣医師に診てもらうことをお奨めします。

その2 外傷がなくても安心しない

カメが落下してしまうと、甲羅が割れる、一部が欠けるなどの外傷を負うことがあります。大きな外傷がある場合でもカメ専門の病院で応急処置をしてもらえば助かることがあるため、諦めないことが肝心です。
中には、マンションの高層階(10階以上)から落下したものの手術によって一命を取りとめたカメさんもいます。

むしろ、獣医師によっては「外傷がない方が怖い」と仰る方もいるそうです。
外傷がなくても吐血している場合、内臓にかなりのダメージを負っている可能性があります。
カメの甲羅は丈夫そうに見えますが、落下の衝撃を吸収できるほどではありません。

病院でレントゲンを撮ってもらうと、甲羅のダメージや内出血の状態、骨折の有無などを確認できます。しかしながら内臓にどれだけ損傷があるかは、獣医さんでもすぐには分からないといいます。場合によっては入院が必要となるでしょう。

元気そうに見えても内臓に損傷を負っていることがあり、3~5日後に容体が急変する例も少なくないようです。
そのため、外傷がなく動き回っていても安心してはいけません。

その3 エサを与えず飼育環境を整える

高所から落下した場合、少なからず内臓にダメージが加わっています。
飼い主さんにできることといえば、安静にさせ自然治癒を待つことくらいですが、この時、エサをあげることは内臓を働かせることになるため避けた方が良いとされています。

落下した日から3日間程度はエサを与えず、飼育環境を整えてあげましょう。傷口から細菌に感染することや抵抗力が弱っているところで風邪をひいたりしたら大変です。
適温を保ち、水をキレイな状態にしておきます。
外傷がある場合、獣医師によっては新聞紙の上で飼うように指示があるかもしれません。これは、水から細菌に感染するリスクを避けるためだと考えられます。

落下事故は人間にとっても命の危険を生じます。カメにとっても同じだと認識し、落下の事実を軽視しないことが重要です。
次回は、実際に我が家のカメさんが落下した時の経験を踏まえ、より詳しくお話しさせていただきます。

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