カメさんの病気 ~ハーダー氏腺炎になったら?~
前回、前々回の記事で、カメさんの健康のためには「バランスの良い食事が大切だ」ということはお分かりいただけましたか?
もし、栄養バランスが崩れてしまうと、人間と同じようにカメも病気になってしまいます。
はじめてカメを飼う人は、どんな病気になりやすいのかなどを理解しておけば、いざという時に落ち着いて対処ができると思います。
今回は、カメの病気の中でも最も多いと言われている「ハーダー氏腺炎」についてお話させていただきます。
【ハーダー氏腺炎って何?】
その1 ハーダー氏腺炎はこうして起こる
その2 病気のおもな症状
その3 治療するにはどうすればいい?
その1 ハーダー氏腺炎はこうして起こる
栄養不足や偏ったエサなどが原因で起こる病気が「ハーダー氏腺炎」。
固形餌をきちんと与えていればかかることはあまりないのですが、乾燥エビなどを主食に与え続けていると、この病気になりやすいです。
ハーダー氏腺炎は別名「ビタミンA欠乏症」と呼ばれており、その名の通りビタミンAの欠乏がもっとも大きな原因です。
また、日光浴不足や水質が悪いといった飼育環境も一因となり得ます。
その2 病気のおもな症状
ハーダー氏腺炎はカメの目の病気です。生後一歳未満の子ガメがかかりやすいといわれています。
最初は瞼が白くなる程度から症状が表れますが、酷くなると、目が腫れたり、目が開かなくなったりします。
カメは目が見えないと餌を食べないため、その症状が続くと体力が低下し衰弱してしまいます。
重症になると全身に浮腫がみられたり、別の感染症にかかってしまう危険があるため、早めの治療が必要です。
その3 治療するにはどうすればいい?
瞼が腫れて元気がなくなるなど症状が目に見えて分かるため、飼い主としては心配でたまらないとは思います。
しかし、焦らず落ち着いて治療してあげてください。
まず、複数匹飼っている場合、病気になったカメさんを隔離しましょう。少しかわいそうな気はしますが、ハーダー氏腺炎は細菌感染する恐れがあるため、大事をとってください。
そして、水をこまめにかえ、カメさんの生活環境を清潔に保ってあげてください。もちろん、日光浴も必要です。
初期症状の場合、「テトラレプチゾル」という、爬虫類用のビタミン剤を補給させれば治ります。
カメの口から直接飲んでくれるのが理想的ですが、そうもいかないでしょう。
スポイトを顔に近づけるだけで大暴れする子もいると思いますので、カメの鼻や目を狙って数滴垂らしてみてください。
それも無理な場合は、餌にしみこませるなど、なんとかして与えてやりましょう!
ここは飼い主さんの頑張りどころです♪
「症状がよくならないな…」「このままで大丈夫かな?」と思った時は、レプタイルクリニックなどの病院で診てもらうのが一番確実ですよ☆