新入り猫の避妊手術を終えました
昨年迎えたトラ猫のスーちゃんが、1歳の誕生日を前に避妊手術を終えました。私はこれまで避妊手術済みの猫を何度か譲り受けましたが、子猫から飼うのは初めての経験です。先住猫の蘭ちゃんは避妊済みのメスなので、同居しても妊娠する心配はありません。
妊娠する心配がなくても避妊手術は必要なのでしょうか。片手でひょいと持ち上げられるほど小さい体に全身麻酔をしてメスを入れること、自然界に逆らって妊娠できないようにすることはかわいそう、という気持ちもありました。避妊手術をするなら1歳前がいいと聞いていましたが、迷っているうちに半年以上が過ぎ、3月ごろに発情期がやってきたのです。
驚くほど大きな鳴き声で鳴く発情期
いつもは、聞こえるか聞こえないかぐらいの小さい可愛らしい声で鳴いていたスーちゃんですが、ある日突然、甲高い声で鳴き始めました。しきりと身体や頭をこすりつけてクネクネしたり、足踏みをしたり、お尻を高く上げたり、また、お尻の辺りが尿で濡れていたり、いつもと様子が違うのです。
甘えてくるのはうれしいのですが、一番の問題は、夜になると気が違ったかのような独特な大声で鳴き続けることでした。以前、マンションで、犬の鳴き声がうるさいということでトラブルになり、気にして引っ越した飼い主さんがいました。上下階の住民からクレームがくるのではないかとビクビクしながら「早く落ち着いて」と祈るような気持ちで数時間、数日間を過ごしました。
発情したメス猫は、オス猫に自分の存在居場所を知らせるために大きな声で鳴きます。「シー、静かに」と言っても叱っても効き目はありません。気を紛らわせようとまたたびを与えたりもしましたが、やりすぎも良くないし、身体に負担がかかるのも心配でした。数日やり過ごせばおさまるかと思いましたが、室内飼いの猫の場合、発情期は年に3、4回もあり、発情期に交尾ができないこと自体も猫にとってストレスになるそうです。そして、獣医さんと猫友達にも相談して、避妊手術をする決意をしたのです。
避妊手術当日は絶食、絶水で
メス猫の避妊手術は卵巣子宮を摘出する手術です。かかりつけの動物病院に電話で相談したところ、発情期の様々な症状を抑えるには避妊手術が有効で、メスの場合、子宮内膜症、子宮蓄膿症といった女性ホルモンが原因の病気の発生が抑えられるとのこと。特に乳がんはほとんどが悪性で、若いうちに避妊手術を受けておくことで、予防に効果があるとのことです。
ただし、発情中は子宮や卵巣の血流が増加して、手術をすると出血が増えるといったリスクがあるため、スーちゃんの発情期がおさまる頃に手術の予約をしました。
手術前は風邪などひかないよう体調に注意しながら、そして当日はエサを食べず、水も飲まずに病院へ。予約をしていたので、手術同意書を読んで署名をして預けるだけでした。避妊手術の費用や条件、来院回数などは様々で、病院によっては日帰りで手術ができるところもあります。うちのかかりつけの動物病院の場合は、1泊2日で、全身麻酔が受けられるかどうかの血液検査と不妊手術を同時に行いました。費用は、血液検査、不妊手術料金(麻酔、処置、入院費、内用薬込み)で3万3,880円(税込)でした。
▲お腹の皮膚を切開した部分を糸で縫合しています
避妊手術後1週間後に抜糸して終了
翌日、動物病院に電話をして様子をうかがってから、スーちゃんをお迎えに病院へ。初めての病院お泊りでしたが「いい子にしていましたよ。可愛い子だね」と誉められて、ほっと胸をなでおろしました。1週間後にまた病院に行って抜糸をしてもらい、傷口を確認、異常がなければ無事終了とのこと。糸は飛び出ていますが、猫が気にして引っかいたりするケースはないそうで、エリザベスカラーは必要ありませんでした。注意事項は、シャンプーやお風呂などは抜糸後1週間くらい避けること、また食欲が増して基礎代謝が減り、太りやすくなることがあるかもしれない、とのことでした。
▲抜糸中はおとなしくしていました
おてんば娘だったスーちゃんですが、手術後2、3日は食欲がなく、しょんぼりとした感じで、先住猫と喧嘩をする元気もなく寝ていましたが、徐々に食欲が戻りました。そして抜糸をして数日後には、もとの活発なスーちゃんに戻り、数週間で傷跡もほとんどわからなくなりました。
▲手術後に帰宅したスーちゃん
小さい体で大変な手術をして心身ともに負担がかかったと思いますが、発情期に近所に迷惑をかける心配もなくなり、将来の病気のリスクも減って、ひと安心。かかりつけの病院だからこそ、安心しておまかせできできたのも良かったと思います。避妊手術については、素人判断で悩まず、まずは動物病院に相談してみましょう。※情報は2020年6月現在です。