カメの水槽に沈んでいる白いフンのような物は何?病気の可能性や対処法について
前回まではカメの産卵についてご説明してまいりました。
カメさんの体調の変化に素早く気付くためにも、毎日こまめに水槽を覗いてあげる必要があります。
水槽の中の卵を発見すれば、飼い主さんは「我が家のカメさんも順調に育っているんだな」と成長具合を窺うことができるでしょう。
さて、皆さんはカメの水槽に沈んでいる白いフンのような物を見たことがありますか?
はじめて目にした方は、病気ではないかと心配になりますよね。
今回はこの“白いフンのような物”についてご説明します。
【カメは尿酸を排出する!病気の可能性や対処法を教えます】
その1 カメが出す白いフンの正体は「尿酸」
その2 直射日光や水分不足に注意する
その3 肝機能の低下や結石の可能性も
その1 カメが出す白いフンの正体は「尿酸」
ふとカメの水槽を見てみると、何やら白いフンのような物が沈んでいる……このフンのような物の正体は、「尿酸」です。
尿酸というのは、いわゆる老廃物のことで、体内でエネルギーが作られる時にできた燃えカスのようなもの。
たんぱく質の固まりで、通常は尿と一緒に液状で排出されるか、白い固形状で排出されます。
リクガメさんでは珍しくないようですが、水棲ガメではあまりみられず、体内の水分不足が原因と考えられます。
著者がはじめて尿酸を見たのは6月のこと。屋外(日陰)で甲羅干しさせた後、ゼニガメさんの水槽に卵の白身のような固まりが沈んでいて驚きました。
混乱しており、写真撮影はできませんでしたが、遠目でも確認できる大きさでした。
その2 直射日光や水分不足に注意する
白い固まりを排出したゼニガメさんは、元気いっぱいに動き回り、エサもよく食べている状態でした。
しかし、卵の白身のような物が何か気になったためネットで調べてみたところ、カメが排出する「尿酸」の存在を知りました。
ペットショップの方に相談してみたところ、食欲旺盛で元気があることから、白い固まりは尿か便ではないかとの回答が。
その後、ゼニガメさんは特に何の問題もなく過ごしています。恐らく、体を乾燥させすぎたことが原因で水分不足になってしまったのでしょう…。
今回のケースでは、尿酸自体は病気ではないものの、飼育環境に問題があることが分かりました。
水分不足は脱水症状や熱中症を引き起こすため、日光浴をさせるときは直射日光を避け、必ず水を入れて陸地を作るようにしてください。乾きすぎると甲羅が変形する可能性もあります。
また、水が汚いと、飲めずに水不足になることがあるため、水替えもしっかり行いましょう。
その3 肝機能の低下や結石の可能性も
我が家のカメさんの場合、尿酸が出た原因が明らかで、体調に変化がないことから診察の必要はありませんでした。
が、通常ゼニガメさんが尿酸を出すことはほとんどないため、元気がない・餌を食べない・歩行困難など気になる症状があれば、すぐに獣医さんに相談してください。
リクガメさの場合、頻繁に尿酸を排出する・尿酸が全く出ない・尿酸がじゃりじゃりしているなどの場合は肝機能が低下している、もしくは結石ができている可能性があるため注意が必要です。
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今回は、カメが排出する白いフンのような物=尿酸についてご説明しました。
陸地で生活するリクガメとは違い、ゼニガメやミドリガメは基本的に水の中で生活しているため、尿酸を出したら体調の変化に敏感になった方が良いと思います。
また、尿酸はその時々で形や量などが変化するといいます。カメが排出したのが本当に尿酸かどうかの判別は素人では難しいでしょう…。
自己判断はカメさんの命を危険にさらすことがあります。
ペットショップの店員さんやカメの生態に詳しい方、獣医さんなど、いざという時に相談できる相手を作っておくことをおススメします。