ゼニガメとミドリガメで雑種は生まれるの? 無精卵か有精卵か判別する方法
前回はカメの無精卵についてご説明させていただきました。
ゼニガメやミドリガメのメスは、オスがいなくても卵を産むことがあります。
「人間の生理と同じ」と表現する飼い主さんもいるように、5歳くらいのカメさんでは珍しいことではありません。
単独飼育のカメであれば有精卵を産むことは考えられません。
しかしながら、複数で飼育している場合は有精卵の可能性があるため注意が必要です。
今回は、無精卵と有精卵を判別する方法やカメの雑種についてご紹介していきます。
【カメの無精卵/有精卵を区別するには?雑種は生まれるの?】
その1 カメの無精卵はオレンジっぽい色
その2 ゼニガメとミドリガメで雑種は生まれない
その3 カメの種類によっては交雑できる
その1 カメの無精卵はオレンジっぽい色
カメのオスとメスを同じ水槽内で飼育している場合、有精卵が産まれる可能性があります。
また、現在単独飼育でも、3年以内にオスと接触している場合は有精卵を産むことがあるといいます。
「家のカメさんが卵を産んだんだけど、有精卵か無精卵か見分けがつかない…」という飼い主さんも少なくないと思います。
メスが卵を産んだ場合、3つのケースが考えられます。
- すべてが有精卵である
- 一部が有精卵、一部が無精卵である
- すべてが無精卵である
上の画像は我が家のカメさん(単独飼育)が産んだ無精卵です。
無精卵は画像のように全体的に色がオレンジっぽいですが、有精卵は上から見ると白っぽいといわれています。(有精卵の卵黄が下の方に沈むからという理由です。)
また、有精卵は産んで間もなく殻の白濁が見られるようになりますが、無精卵は一週間以上経っても状態が変わらないのが特徴的です。
ただし、これらはあくまでも目安のため、判断が難しい場合はペットショップや動物園、獣医さんに相談してみてください。
その2 ゼニガメとミドリガメで雑種は生まれない
爬虫類は生き物の中でも雑種が生まれやすい種類といわれています。
ゼニガメとミドリガメを同時に飼っている方もいらっしゃるでしょう。飼い主さんになったら誰もが「雑種は生まれるのか?」と思うに違いありません。
著者も気になってペットショップの方に聞いてみたところ、ゼニガメとミドリガメは同じ水棲ガメでも種類が異なるため、同居させていても有精卵が産まれることはないとのことでした。
実際、ゼニガメとミドリガメでは求愛行動も異なります。
ゼニガメさんは首を横に振る動作をしますが、ミドリガメさんは手を突き出してプルプルさせます。これは我が家のカメさんにも当てはまります。
その3 カメの種類によっては交雑できる
ゼニガメとミドリガメでは雑種は生れませんが、カメの種類によっては交雑することが可能です。
例えば、ハナガメと呼ばれるカメは、ゼニガメとの交雑ができ、ニホンイシガメとも交雑ができます。ハナガメは特定外来生物に指定されており、飼育には許可が必要です。他の種類との雑種も同様のため、ハナガメを飼っている方は注意してください。
また、ゼニガメとニホンイシガメとでも交雑が可能です。(この種類はウンキュウと呼ばれています)
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今回は、無精卵と有精卵を判別する方法やカメの雑種についてご説明しました。
個体によるとはいえ、カメが無精卵を産むのは珍しいことではありません。
メスのカメさんが有精卵を産める環境にいれば、産んだ卵が有精卵である可能性は十分あります。交雑できる種類を同時に飼っていれば、雑種が生まれる可能性もあるのです。
カメさんをこれ以上飼育できないという方は、単独飼育をするのが望ましいでしょう。
今いるカメさんのためにも、新しい命のためにも、ベストな環境づくりをしてあげてくださいね!