地震が起きてもあわてない!ペットの防犯対策
6月18日、大阪市で最大震度6の地震が発生しました。日本は、2000年以降、震度5以上の地震が100回以上発生しています。2016年の熊本大震災や2011年の東日本大震災では、人間のみならずたくさんのペットが被災し、飼い主と離れ離れになるなど、つらい状況がたくさんありました。
今後も地震はいつ、どこで起きるかわかりません。地震が発生したとき、家族の一員であるペットを守るために何をしたらいいのでしょう。様々な支援は、現実としてペットは後回しにせざるをえない状況です。飼い主が責任をもって守ることが前提なのです。
今回は、宮城県で東日本大震災を経験した筆者が感じ、聞いたことのなかから、参考になることをご紹介します。
普段から十分なしつけをする
▲飼い主に従順で無駄吠えしない犬は避難所でも過ごしやすい(イメージ写真)
避難所や仮設住宅では、ペットを受け入れるルールが事前に決められていません。犬猫を好まない方やアレルギーの方もいます。犬の鳴き声やニオイは、特に苦情やトラブルになりがちです。ペットと一緒に避難したときに他の避難者の迷惑にならないよう、日頃から十分なしつけをしておく必要があります。
犬)
- むやみに吠えないようしつけておく
- 「待て」「おすわり」「伏せ」などができて、飼い主の指示に従えるようにする
犬猫共通)
- 決められた場所で排泄ができるようにする
- 人や他の動物と一緒にいても怖がらずに過ごせるように馴れさせる
ペットの健康面も配慮
避難所などでは、狂犬病予防注射やワクチンの摂取などを受け入れの条件としている場合もあります。ペットの健康やニオイなどの衛生面にも注意して、周りに迷惑をかけないようにしましょう。
犬)
飼い主登録、狂犬病予防接種(法律で義務付けられています)
犬猫共通)
混合ワクチンの摂取、ノミ・ダニの駆除、去勢、避妊をしておく
備蓄しておきたいもの
ペットの救援物資は、すぐには届きません。買い置きがない場合、すぐに買えるとは限らないので、飼い主が準備しておく必要があります。いざというときのために、ペット用の避難グッズも準備しましょう。
▲愛猫はいざというときのためにリードをつける練習をしています
犬猫共通)
- ペットフードと水(1週間分以上が目安)、食器
- ビニール袋(排泄物の処理用)
- おもちゃ(ストレス発散)
- お気に入りの毛布など(居場所)
- 新聞紙(猫の砂の代わりや保温など、いろいろ使えます)
- (持病がある場合)薬、療養食など
- ブラシやドライシャンプー(抜け毛やニオイ防止)
犬)
- 予備の首輪とリード
小型犬、猫)
- キャリーバック(普段からキャリーバックにスムーズに入れるよう馴れさせておきます)
猫)
- 使い慣れたトイレの砂
- 洗濯ネット(逃亡防止用に役立ちます)
迷子になったときの連絡先を明示
▲地震に驚いて家を飛び出してしまうことも
ペットとはぐれてしまったときのために、第三者が見てどこの誰なのか、わかるようにしておきましょう。マイクロチップをつけるのもいいですが、関係機関と連絡がとれるまで時間がかかることがあります。迷子札をつけるか、首輪の裏などにペットの名前、飼い主の名前、電話番号を書いておくと、第三者が見つけたときに飼い主を探すのがスムーズになります。
その他に注意したいこと
- 犬小屋や犬をつないでいる場所の安全性をチェック。ブロック塀など倒れやすい場所の近くに居場所を設けるのは避けましょう。
- 地震が起きたときにペットがびっくりして逃げ出すことがあります。鎖や首輪が外れやすくないかを確認しておきます。
私が被災したときは、幸いにも住居の被害が少なく、避難所生活は経験しませんでしたが、しばらくの間は普段どおりの生活はできませんでした。避難生活はもちろん、普段と違う生活は人間にとってもペットにとっても大きなストレスです。できるだけ一緒にいて普段と同じように散歩をしたり、遊んだりして、安心させてあげましょう。
また、ペットと一緒にいてあげたいと車中で避難生活をしていた方が、エコノミークラス症候群で亡くなった例もあります。災害時にペットを守るには、飼い主が無事で健康であることが前提です。ペットのためにも、まずは自らの安全を確保すること。そして、備えあれば憂いなし。普段から危機意識をもって、しっかりと防災対策を行いましょう。