腸内環境を整えてカメさんを病気から守りましょう!おなかの善玉菌を増やす3つの方法
前回はカメを家の中で遊ばせる方法についてご紹介しました。
カメはワンちゃんやネコちゃんと違い、元気に走り回る生き物ではありません。
とはいえ、肥満予防やストレス解消のために適度な運動を必要とします。
私たち人間もそうですが、運動不足は消化不良を招くため、便秘や下痢など腸の不調につながることも。
以前ご説明させていただいたことがあるように、便秘や下痢はカメの命を脅かす可能性があり軽視できません。
便秘や下痢を予防するためには腸内環境を良くすることが大切です。
そこで、今回はカメの腸内環境を整える方法をご紹介していきます。
【カメの腸内環境を整える3つの方法!善玉菌を増やすにはどうすればいい?】
その1 善玉菌入りのエサを与える
その2 ストレス解消させる
その3 温浴や日光浴で体を温める
その1 善玉菌入りのエサを与える
近年、腸がヒトの健康を司る臓器といわれていることはご存知でしょうか。
食べ物の消化吸収にかかわっており、便を送り出す排泄のためにも重要な器官なのです。
腸にはたくさんの種類の細菌(腸内細菌)が存在しており、体にとって良い働きをする善玉菌と悪い働きをする悪玉菌、どちらか優勢な方に味方する日和見菌の3つに分けられます。
腸内環境を整えるためには、善玉菌を増やして悪玉菌を減らす必要があります。
いわゆる「腸活」ですね。
最近は乳酸菌飲料やサプリメントも多く見かけますが、人間用に作られた製品をカメさんに与えるわけにはいきません。
カメにはカメ専用の配合飼料を与えなければいけないので、善玉菌が含まれたプロバイオティクスフードというものをおススメします。
ここでは「カメプロス」を紹介していますが、爬虫類専用の腸内細菌サプリメント「レプラーゼ」も販売されています。これなら、カメさんお気に入りのエサで腸活を始めることが可能です。
その2 ストレス解消させる
のんびり屋のカメさんですが、実は運動が大好き。
狭い水槽の中に365日閉じ込められているとストレスが溜まってしまいます。
たまには外に散歩に連れていったり、広い場所で運動させたり、家の中で遊ばせてあげたりしましょう。
また、複数飼育でカメ同士がケンカばかりしているのもストレスに繋がります。
なるべく単独飼育をし、カメさんがのびのびと過ごせるようにしてください。
というのも、ストレスは腸内環境を悪化させる原因になるからです。
飼い主さんの中には、緊張や不安を感じるとお腹が痛くなる方がいると思います。
それと同じで、カメも便秘や下痢になってしまうことがあるのです。
その3 温浴や日光浴で体を温める
カメさんは日光浴や体を温めることで代謝を高めているため、日光浴不足や気温低下によって食欲が落ちたり便秘になったりします。
便秘は腸内に老廃物や有害物質が溜まった状態で、悪玉菌も繁殖しやすくなります。
日ごろからしっかりと日光浴させてあげることが大切ですが、寒い冬は外に出せないこともあるでしょう。
そこで、35℃程度のぬるいお湯で10~15分温浴させてください。
実際、カメの便秘でクリニックに連れていくと、治療の一環として温浴することがあるといいます。
「しばらくうんちしていないなぁ」と思ったら、一度試してみてください。
腸管運動が活発になり、便秘の解消が期待できますよ!
ただし、あまり長く温浴させると未消化の便まで排出されるため注意が必要です。
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今回は、カメの腸内環境を整える3つの方法をご紹介しました。
「たかが便秘」と侮っていると、思わぬ病気に発展することもあります。
“長生きの秘訣は、腸にある”と断言する医師もいるくらい、人間や動物にとって腸内環境は重要なものなのです。
長生きナンバーワンと呼ばれるカメさんをより長生きさせるために、皆さんも今日から「腸活」を始めませんか?