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猫の健康のために飼い主ができる基本のお手入れ

猫の平均寿命が年々延びています。完全室内飼いの猫は16.40歳、家の外に出る放し飼いの猫の平均寿命は14.22歳です(平成27年度データ、一般社団法人ペットフード協会調べ)。愛猫には、ずっと健康で長生きしてもらいたいですね。今回は、猫が健康で暮らすために飼い主ができる3つのこと「爪切り・ブラッシング・ネコ草」についてお話します。

■2週間に一度は爪を切ってあげよう

猫は爪とぎをしますが、室内飼いの場合は特に爪がのびやすいので、家の中に爪とぎ器をいくつか置いておきます。先代の猫は、子猫のころに木製の家具や革のソファーなど家具で爪をとぐことがありました。猫によって「カリカリしたくなる」お気に入りの素材があるようです。ストレスや飼い主にかまってほしくて、飼い主の顔を見ながら爪をとぐこともあります。

そんなときは、「ダメ!」と叱って、爪とぎ器の所に連れていくことを根気よく行ないます。大切な家具や家族を傷つけないためにも、猫の爪は短く切っておきましょう。

爪がのびすぎると、カーテンなどで爪とぎをしたときに、爪が引っ掛かり、自分でとれなくなって怪我をする可能性があります。また、知り合いの猫は、なかなか爪を切らせてくれなくて、のびすぎた爪の先端が肉球にささってしまい、病院のお世話になりました。

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動物病院やトリミングサロンでも爪切りを行なっている場合もあります。上は先代猫のゴンちゃんが動物病院で爪切りしてもらったときの写真ですが、緊張してちょっとこわばっていますね。病院によっても料金はさまざまですが、ここでは500円でした。

爪切りは子どものころから馴れさせて、2週間に一度を目安に切りましょう。

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猫の爪切りは、はさみタイプとギロチンタイプがありますが、写真のはさみタイプが使いやすいです。後ろから抱き抱えて、指の肉球あたりを軽くおさえて爪を出し、爪の透明な部分だけを切るのがポイントです。爪の中にある血管と神経が通っているピンク色の部分から2~3mm前で切ります。ピンク色の部分にかかると、出血したり、痛がります。

爪切りは猫の機嫌がいいときにしましょう。うっとりと目を細めているとき、寝ているとき、好きなおやつでだまし、やさしく声をかけながら行ないます。暴れて嫌がる場合は、洗濯ネットやバスタオルに包んだりして工夫してみましょう。

■ブラッシングは毎日~1日おきぐらいに

猫の毛は、春は夏毛に、秋は冬毛に生えかわります。抜け毛で部屋中が毛だらけになったり、洋服が毛だらけになったりしないようブラッシングは毎日してあげましょう。ブラッシングをすることで「触って嫌がる所はないか」「おできや皮膚病などはないか」がわかり、健康チェックにもなります。また、身体を触ることで、コミュニケーションにもなりますね。

猫用ブラシには、コームタイプ、ミトンタイプ、スリッカーブラシ、ラバーブラシなどがありますが、写真のラバーブラシは、皮膚にやさしく、マッサージ効果もあり、気持ちよさそうです。以前は、ホテルのアミューズメントグッズのブラシを持ち帰って使っていましたが、このシリコン製のラバーブラシにしてからは「うっとり度」が全然違います。

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ブラッシングは毛の流れに沿って、ときには逆方向に、なでるようにやさしく行ないます。爪切りと違って、猫はブラッシングが大好きです。特に頭や顔の周り、首、のどなどは「してして」と自分からブラシに向かっていくような仕草をします。

毛がもつれたり、毛玉ができやすい長毛種の猫の場合は、スリッカーブラシで一日2回ブラッシングをしましょう。
ノミやノミの糞があるかどうかをチェックするには、コームタイプを使います。

■ネコ草を用意しよう

猫が食べてはいけない危険なものがいろいろあります。食品でよく知られているのは、ネギやタマネギ、生のイカやタコなど。見逃しがちなのが、アロマオイルと観葉植物です。アロマオイルは猫にとって危険だと知ってから、家では一切使っていません。また、観葉植物や花でも猫にとって危険なものが多くあります。

猫に危険な観葉植物は、アロエ、ポトス、アイビー、ドラセナ(幸福の木)、クワズイモなどです。花では、ユリ、紫陽花、チューリップ、シクラメン、パンジーなどがあります。
花や植物を購入する際は、猫に安全か危険か調べてからにしましょう。

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調べてみると、猫に安全な観葉植物は案外少ないものです。家では、サンセベリアを数種置いています。丈夫で育てやすいうえ、猫に安全で、かつ猫がほとんど関心を示しません。室内の空気をキレイにしてくれる効果もあり、おすすめです。

ネコは肉食動物で野菜は食べませんが、ネコ草を好んで食べます。特に毛づくろいで毛をたくさん飲みこんでたまった猫は、お腹の調子が悪いと感じ、草を食べて毛玉と一緒に吐きだします。外に出る猫は雑草などを食べてお腹の調子を整えますが、室内飼いの猫にはネコ草を置いてあげましょう。

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ネコ草は、ホームセンターや園芸店などで購入できます。自分で栽培することもできます。写真は、無印良品の「猫草栽培セット 2個入り(210円)」です。容器や種まきなどはいらず、袋をあけて水を注ぎ、陽のあたる所に置いておくだけで、7日~10日ほどで食べごろになります。土の代わりに再生粉砕パルプを使用しているので、清潔ですし、袋のまま捨てられるのも便利です。ただ、ネコ草も猫によって好き嫌いがあるようです。様子を見ながら選んでみてください。

爪切り、ブラッシング、ネコ草は、猫と暮らすうえでの基本のお世話です。生活習慣にしましょう。猫は具合が悪くても言葉で説明することはできないので、飼い主が気を配って観察してあげましょう。そして、異変を感じたり調子が悪いときには、動物病院に相談を。飼い主の不注意や知識不足、気配り不足で、猫が健康を損なうことがないよう気をつけたいですね。

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