仕事や人間関係などのストレスで疲れたとき、動物とふれあうと心が潤い、リフレッシュできますね。ヨーロッパでは幸運を運んでくれる縁起の良い動物と言われているハリネズミは、新たなペットとして注目されています。今回は、ハリネズミとふれあいながら心が和みリラックスできるカフェを紹介します。

木のぬくもりがあふれるおしゃれな店内

仙台市青葉区、JR仙台駅から徒歩10分、角川ビル地下1階のモグラプラザ内にある、ハリネズミカフェ『しゃべコミュ　仙台店』。ウッディなドアを開けると、アンティークな趣の木を使った優しいぬくもりにあふれた空間が迎えてくれます。

▲しゃべコミュ仙台　エントランス

▲ここで写真を撮ってインスタにアップしては

木のカウンター、レンガ調の壁、ほの暗いダウンライト、ジャズのBGM、過ごしやすい空調など、空間づくりにこだわった店内は、シックなダイニングバーのような雰囲気。そこに違和感なくなじんでいるのが、ハリネズミとチンチラです。動物のニオイをほとんど感じない、むしろほんのりアロマのようないい匂いに癒され、ハリネズミカフェであることを忘れてしまいます。

▲広々とした店内

徐々に心を開くふれあい甲斐のある動物

入店したら、受付で料金を払い、席に着きます。ハリネズミとふれあえる「ふれあい料金」は、30分と60分から選べます。30分コースが平日1,100円、土・日・祝が1,430円、60分コースが平日2,200円、土・日・祝が2,860円で入場料、ワンドリンク込みになります。

「ハリネズミはもともと一匹で生きているため、新しい人の匂いになかなか慣れにくく、30分向き合って、ようやく仲良くなれるイメージです。まずは30分で1匹と友達になってください」と話すのは、仙台店店長の相澤希美さん。

▲ハリネズミはアクリルケース、チンチラはケージ内に

震災後、この場所で「心の文化を社会に広めたい」とカウンセラー、メンタルトレーナー養成の事業をしていたオーナーが、「これからはハリネズミの時代が来る。ハリネズミで癒しと元気を与えたい」と、2018年2月に『しゃべコミュ仙台』をオープンすることに。原点には「心の文化、人を元気にすること」があったのです。

以前カウンセラーをしていた相澤さんは、オープン時から仙台店の店長として、ハリネズミの飼育相談、指導に応じています。ハリネズミの魅力を聞くと「可愛いだけではありません。猫もそうだと思いますが、抱っこが好きな子、苦手な子、気まぐれな子もいて、信頼してもらえるまで多少時間がかかります。最初は人に対して臆病ですが、時間をかけてさわってあげることでだんだん心を開いてくれる過程が楽しめる、ふれあい甲斐のある動物です。どちらかというと大人向けの動物かもしれません」と話しています。

▲相澤店長に抱っこしてもらいご機嫌なハリネズミ

まずは30分ふれあって仲良くなろう

20~30匹いるというハリネズミ。初めてハリネズミとふれあう場合は、飼育員がそのときの様子や相性を見ていい子を選んでくれます。「ハリネズミは、おっとりした子やヤンチャな子、寝ている子など、一匹一匹、個性や性格が違います。初めは飼育員がお客様に合いそうな子をおすすめしますが、慣れてくると『〇〇ちゃんがいい』と指名する方もいますし、常連さんになると『〇〇ちゃんの子どもが出たら教えてください』とリクエストされることもあります。」

▲丸まっているハリネズミ。笑っているような表情

▲ネズミの仲間のチンチラ

ハリネズミの針は自分の身を守るためのもので、警戒したときに針を出すそう。ハリネズミの針は痛いというイメージを持っていましたが、掌にのせて抱っこさせてもらうと全然痛くありませんでした。しゃべコミュのハリネズミは人に慣れているということもあるのでしょう。抱っこのコツも教えてもらい、安心してふれあえます。また、写真を撮ったり、おやつをあげることもできます（おやつ代は別途かかります）。

楽しみ方、使い方は自由自在

利用者は、平日は20代から50代まで、長期の休みは親子、休日は家族連れ、グループがイベントで使うなど、幅広い層が訪れ、ときにはハリネズミが好きな人同士で話が盛り上がることもあるそう（小学生、幼児が訪れる場合は、保護者同伴が条件です）。

▲ワーキングスペースとしての利用も可能

ハリネズミとのふれあわない場合は、ワンドリンク付きで550円の「ドロップイン料金」が必要です。ハリネズミを見ながら普通のカフェとしてひと休みしたり、学生がワーキングスペースとして利用することもあるそう。席にはコンセントがついていて、Wi-fi環境も完備されています。

家を空けることが多くペットを飼うことを諦めている人が、短時間でもハリネズミとふれあい、仲良くなったハリネズミをレンタルして自宅で一緒に過ごすこともできます。「コロナ禍の今は、外出を自粛して、イベント気分で、おうちでハリネズミと暮らしてみたい、とレンタルする方もいるようです」と相澤さん。里親も募集中です。

ドリンクはブレンドコーヒー、紅茶のほか、ローズヒップティーやミントティーのようなほっとする温かい飲み物、やまぶどうやメロンソーダといったソフトドリンクなど、十数種。200円からで、プラス料金でお代わりや飲み放題もOKです。ドリンクの他に、ミルク、はちみつレモンなど、好きなフレーバーが選べるジェラート単品、ジェラート付きのコースもあります。お店ではフードは提供しませんが、おやつなど、食べ物の持ち込みは可能です。

「ハリネズミはキャラクターもいろいろです。気に入った子に会いたいと訪れるお客さまもいますし、『全部の子をコンプリートしたい』という常連さんもいます。触らなくても、見ているだけでも飽きません。その方にあった楽しみ方ができると思います。ハリネズミのことを知らない人も楽しめるカフェなので、時間つぶしでも、何かのついででも、気軽に遊びに来てください」と話す相澤店長。山形県山形市北町には姉妹店の『しゃべコミュ　山形店』もあります。