新百合ヶ丘の駅前は、人通りの多い活気に満ちた場所。駅は典型的な最近の大型郊外ステーションで、すっきりとしたスマートな形をしています。けれども大都会のような喧噪はなくて、自然の風景や緑の潤いを残しながら整備されている街。道行く人の表情も、どことなく穏やかでのんびりとしているように感じられます。
 駅前のシンボルは「新百合ヶ丘ビブレ」。フルライン専門百貨店としての「ビブレ」とハリウッド資本のシネマコンプレックス「ワーナーマイカルシネマズ」、総合スポーツクラブ「コナミスポーツ」を併設したショッピングとアミューズメントの複合施設で、新百合ヶ丘のヤングマインドの発信源となっています。
 駅前からは広い歩道が伸びていて、みんなゆったりと歩いていました。けして着飾っているわけではないけれど、自分流のファッションをセンス良く楽しんでいる人たちが多いのもこの街の特徴。飼い主と一緒にお散歩中のワンちゃんたちも、可愛くトリミングされたり、リボンや洋服でお洒落させてもらったりして、どことなく嬉しそうです。オープンスタイルのカフェは、お散歩に疲れたときにちょっとひと休みできるスポットで、ぼんやり座って通りを眺めているだけでも1、2時間はすぐに過ぎてしまいます。
 そこからしばらく歩くと、閑静な住宅街。瀟洒なたたずまいの家々が、スタイリッシュな街並みをつくりあげています。どの家も広々として、開放感あふれるこの街での生活を象徴しているかのようでした。
 昭和40年代中頃までは、新百合ヶ丘一帯は雑木林に覆われていました。交通の便が非常に悪く、「川崎のチベット」とも呼ばれていたエリアです。しかしその後の計画的な都市開発により、現在の美しい景観が誕生。ハードな面だけではなくソフト面でも、映画祭や芸術祭が開催されて、積極的な文化活動が行われています。川崎の新都心として発展し続ける、居心地の良い街です。

交通/小田急線「新百合ヶ丘駅」前。