飼い主さんだけが知っている、可愛い表情やしぐさ。他人に何と言われようと「ウチのコがいちばん」って思っている方ばかりでしょう?そんな可愛いわが子を絵に残したいとは思いませんか?本書はそれを可能にしてくれるかもしれません。
画材も水彩色鉛筆、透明水彩、鉛筆など手軽に揃えられるもので、初級者向けのアドバイスが載っています。かと言って「絵画の教科書」ではありません。素材にビーグル、ゴールデン、チワワなどを用いて、その種類に応じた毛色や質感の表現のテクニックが解説されているのです。さらにペットの肖像画家の談話では「どの動物の場合もそうですが、いかにもその子らしい表情とか雰囲気があるものです。同じ犬種でも、気のやさしい子、やんちゃな子、物静かな子とか一頭一頭みんな違っています」とありますが、なるほど写真でも表現しきれない「その子らしさ」を絵画にできたらなんて素敵でしょう。巻末の「犬の雑学手帖」には映画に登場したイヌの話、海外のイヌ伝説、そして塗り絵タイプの「イヌのはがき絵」まで付録についています。 |
イヌとネコを差別する気はありませんが、ネコは写真や絵のモデルとしてあまり向いているとは言えません。なにしろ「座れ」とか「伏せ」とか命令に従わないところがネコの魅力なのですから。でも、いつまで見ていても見飽きないネコの愛らしい姿、表情。絵やイラストにしてみたいですよね。
本書では4人のアーティストがそれぞれ異なったタッチのネコの作品とともに、作品にまつわるエピソードやネコに対する思いを紹介しています。写真のようにリアルな作品、今にも喋り出しそうなニャン格(人格)を感じる作品。作者の深い愛情が伝わってくるようで、どれも見ているだけで微笑ましいページです。
また「子ネコと成ネコを描き分ける」「目はガラス玉のような質感が大切」などネコの描きかたの基本はもちろん、「ネコのポーズ集」「モデルの研究」(写真と絵で解説)など、「どれ、ちょっと描いてみようかな」と思うこと間違いなし。ここで再びネコがモデルに向いていないと感じるのは、じっと見ていると「ダッコしたい」とウズイてしまうから。ネコは描くものではなく、ダッコするものかもしれません。 |