本書は、「犬からの質問」に人間が回答するという形式で綴られています。「男性と女性、どちらが良い飼い主なの?」「ボクが死んだらご主人は悲しんでくれるかな?」「なんでご主人はボクを子どもにまかせて出かけるの?」などドキリとさせられるイヌの本音や、「ボクがいちばん住みやすい国はどこ?」「ボクの将来はどうなるの?」など、ペットと人間の共存をあらためて考えさせる質問もあります。
皮肉の効いた文章はさすがにイギリス人。著者はロンドンで動物病院を開業するかたわら、世界各地の獣医科大学で動物行動学に関する講議を行い、著書も多数というだけあって、生物学はもとより、民俗学や哲学といった見地からもイヌの質問に回答しています。「私自身は犬中毒だ」と断言しながら、品種改良、繁殖などの問題にも触れ、客観的かつ愛情たっぷりにイヌとヒトとの関係を解きあかしてくれます。たまにはイヌの立場になって、じっくりとヒトの行動を研究してみるのも良い勉強ですよ。「ボクの将来はどうなるの?」の回答はぜひ本書で。
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ネコ好きなら卒倒してしまいそうなタイトルですね。『犬からヒトへの90の質問』と同じ著者の本書では、この質問にも歴史と現状、西洋人と東洋人の道徳観から回答しています。著者は「なぜ自分は猫を飼いたいと思ったのだろう」という疑問から、本書を書いたそうです。
本書によると、「猫は自分のことにしか興味がなく、望んでいるのは安全で、快適で、ごちそうが次から次へと出てくる生活」で、これらをすでに理解している人間は良い飼い主だそうです。もしあなたがそうなら、「なぜワタシの多くの仲間たちはホームレスになるの?」とか、「なぜワタシにヒモをつけて犬みたいに散歩させるの?」といった質問には、きっと言葉に詰まるのではないでしょうか。
しかし「ワタシと暮らすと心臓発作が減るの?」「猫を飼う人は長生きするの?」など、ネコが人間に与えてくれる良い影響の解説は、ネコに関心がない人に対しても大いに教えてあげたくなります。まずは本書を参考に、ネコの本音に耳を傾けてあげてください。
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