本書は米国の女性作家によるベストセラー『PACK
OF TWO』の全訳です。10代の頃からアルコール依存症であった作者の体験告白本は全世界十数カ国でも出版されました。彼女がアルコールと手を切った後、犬を通じて「愛や結びつき」を見いだしていくさまが綴られた一冊です。
犬の躾け方についても訓練士によって異なること、犬の行動に隠された心理分析例など、犬の飼い方を学ぶにも良い本ですが、何よりも飼う人間と犬との心の関係が細やかに描かれています。犬はペットなのか、家族なのか、子どもの代わりになるのか、それとも友人なのか。心理学や動物行動学の専門書からの引用や、犬を飼う人々の実例など、深い考察からなる本書は犬好きの方はもとより、自分についてもっと考えたいと思っている方には大きなヒントとなるでしょう。作者は42歳でなくなり、愛犬の『ルシール』はカメラマンである夫が世話をしているそうです。「独り暮らしで淋しいから犬を飼いたい」なんて考えている方。飼い方のノウハウを知る前にぜひご一読を。
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「マンガかな?」と思ってめくったら、犬の飼い方知識あり、犬の目で見た街の紹介あり、一般読者のペット紹介あり、という盛り沢山の内容の一冊です。週刊『SPA!』の2002年5月〜本年1月まで掲載されていたものを再編した書籍なので、ご存知の方も多いはず。とにかく登場するイヌ・ネコのキャラクターの可愛いこと!美しいこと!『りる』という子犬が、日常の出来事からさまざまなことを学び成長していく様子が微笑ましく描かれたコミックの秀作です。
「散歩のコツ」を描いた章ではリードの扱い方を釣りのアタリの要領に置き換えて説明してあったり、「散歩には設計図が必要」と、事故を防ぎながら、躾しながらという散歩の解説が紹介されています。また、「なんでこんな子になっちゃったんだろう」「こんな子に育てた覚えはないのに」というのは「飼う人がそう育てた」ということ、と良い処も悪い処も、育て方を全部反映する犬の習性について触れてあり、ただ可愛いだけのペット本ではない深さが読み取れます。ちなみにウサギも登場していますよ。
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