フランスのわんにゃん事情

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第2回・・・『SPAって何?』の巻。
こんにちは,ムラヤマです。9月になった途端南仏はめっきり涼しくなりました。が,熱波による山火事災害は後を絶ちません。自然災害の恐ろしさを実感した今年でもあります。

さて今回はSPA(エスペーアーと発音します)について話します。SPAはフランス全国規模の動物愛護団体です。SPAのHP(http://www.spa.asso.fr/ )によりますと全国に4万人の会員,58の収容施設,12の無料診療所,1300人のボランティア調査員などを擁しています。一般の市民はもちろん警察も捨てられた動物や迷い犬猫を見つけるとすぐに管轄内のSPAに連れて行くようなシステムになっています(フランスでは動物を捨てた人間には実刑2年(執行猶予無)の禁固刑。本屋では動物用法律書も売っており,「動物」に強い弁護士さんも多くいます)。

実は私の一匹目の猫も地元のSPAで見つけました。2001年9月10日のことです。養子縁組が決まると飼い主は150フラン(注:当時はまだフランでした。約3000円)をSPAに収め,引き換えに250フランの「去勢手術補助券」をもらいます。つまり飼い主は100フラン多く変換されたことになります。同時に飼い主の住所近くのSPA提携獣医師のリストを渡され,一ヵ月後の予防接種とこの250フランの券を利用して必ず去勢手術をするように,と厳しく勧められます。ペットショップでは予防接種済はあり得てもこのような手術補助は一切ありません。SPAって素晴らしいでしょう?

一方,家庭の事情で動物を手放さなければならない時は市中に捨てられません(理由は前述)のでたいていSPAに連れて行くことになります。飼い主は「あきらめ料」としてお金を気持収めることになっています。

SPAでは年間を通じて動物の養子縁組を行っています。ちなみに私がお世話になったエクス・レ・ミルSPAの2002年度報告書には961匹の犬,89匹の猫,うさぎ,いたち,鳥などが収容され,寄付金(養子縁組代,あきらめ料,受付の小物ブティックの収入を含む)は287000.297ユーロ(約3900万円),出費(雇用者給与や飼育料など)は124000.631ユーロ(約1690万円)と書いてあり,ページを開くと養子縁組後の幸せそうな動物と飼い主の写真集になっています。

11月頃になるとテレビのCMはもちろん町の至る所にSPAのポスターが張り出されます。クリスマスプレゼントに動物をおねだりされた大人はSPAにまず直行!のフランスなのでした。


「収容した動物は決して殺しません!」とマダム・プレジデントから強い言葉を頂戴したことも付け加えておきます。

住まいのこと、ちょこっとリポート
前回私はパン屋さんで無料住宅情報誌(www.logic-immo.com)を手に入れます!と書きましたが,フランスでは住宅だけでなく車や電化製品など中古品を新聞紙上で直接売買するという方法も一般的です。たいてい「住宅売買」の大見出しのあとにT1,T2,T3,T4などの小見出しで掲載されています。

さて今回は間取りです。フランスではあまり細かい区分けはなくT1,T2・・・T6と表現されることが多いです。TはTypeの略。数字から1を引いた数が寝室数になります。え?T1っていったい・・・?T1は日本で言うワンルームでたいていキチネットと呼ばれる小さな台所とシャワー(あるいは風呂桶)付洗面所を伴います。フランスの習慣では独立個室型台所が一般的ですが近年「キュイジーヌアメリケーヌ」と呼ばれる居間併設キッチンタイプの広告が増えています。調理の匂いが気になる人はやはり窓がしっかりある個室キッチンにこだわっているようです。ちなみに私の家はT2のアパルトマン。居間,台所,浴室トイレそして寝室ひとつです。


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