フランスのわんにゃん事情

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第10回・・・「お正月と言えば」の巻

謹賀新年,ムラヤマです。
さて『お正月と言えば?』と聞かれて何と答える?
「おせちもいいけどカレーもね」・・・・というコマーシャルもありました。フランスは12月24日夜から1月1日夜まで海の幸,山の幸を食べつくすという飽食の日々を過ごします。フォアグラ,生ハム,海老に牡蠣,などなどなど。わっ,すごい!と思ってしまいがちですが,どれも準備が簡単で保存がきき小出ししやすいものばかりなのです。所違えど「おせち」と一緒。新年くらいは楽しみましょう!ということですね。
クリスマス頃になるとパン屋さんに「ガトー・デ・ロワ(王様のお菓子)」という素朴なお菓子が並び始めます。本来は1月の第一日曜日「主の公現」というキリスト教の祭日に食べるお菓子で,東方の三博士が馬小屋で誕生したイエス・キリストを訪問したことでキリストが神の子として公に現れたことを祝います。
・・・とここまで読んで「知ってるわ!」とほくそえんだ方も多いことでしょう。実は私,この年末年始を日本で迎えたのでテレビでも何度か「今話題のガトー・デ・ロワ」を見ましたし,新宿の某百貨店で「ガトー・デ・ロワ・フェスティバル」なるものが開かれていたことも知っております。
日本で紹介されたガトー・デ・ロワは中に「フェーヴ」という小さな陶人形がはいったアーモンドクリームパイです。が,南仏にはもう一種類リング状のブリオッシュに色とりどりのフリュイコンフィ fruits confits(口に入れた途端脳天まで衝撃が走る甘さの砂糖漬け果物)が乗ったものもあります。
とてもおいしい素朴な焼き菓子ですが,家族揃った席でガトーを切り分けそれをほおばって今年一年の運を計るという二重の楽しみがあります。がぶっとかじって陶器の人形が出てきた人は今年一年幸運に恵まれかつ人形発見直後から一日「王様」になることができます。ですからこれを買うと必ず紙でできた王冠が付いてきます。思い切りかじってしまい歯がかけてしまうということもありえますのでできるだけ上品にがぶっとかじってください。陶人形に加え乾燥したそら豆が入ったガトーもありこれは「王様への一日忠誠券」。王様の言うことは何でも聞かなくてはならないのです。おみくじだったら「凶」でしょうか。
陶人形はサントン人形同様,聖家族にちなんだものや民族衣装,世界めぐりなどいろいろあり,これを収集しているフランス人も多々います。実は私もそう。現在14個の人形が我が家にあります。クリスマス頃になるとこれをクリスマスツリーの鉢まわりに飾ったり・・・普段は台所に置いています。朝起きるといつもの場所にあったはずのフェーヴがない。どうも夜更けに猫たちが遊んでいたものと思われます。

註:写真は我が家のフェーヴ達です。 

住まいのこと、ちょこっとリポート
車 La voitureの話
この頃4×4やファミリーワゴンもだいぶ見かけるようになりましたがフランスの主流車はまだまだ小型車です。市街地内の細い路地もすいすい通り抜けられ路上駐車も簡単。それに税金が安い!運転免許取得の教習車も小型車なので新人ドライバーは同じタイプの車を購入したがるようです。
燃料はガゾール Gazoleと呼ばれる軽油使用のものが多く,これも他の燃料に比べ廉価でしかも燃費が良いということでフランス人に贔屓にされているようです。
さすが節約上手のフランス人です。
シトロエン2CVやルノー4のようなノスタルジックな車もまだまだ現役。スーパーの駐車場では犬がお留守番をしている車をよく見かけます。これは泥棒対策も兼ねているようです。リヤウィンドーに「赤ちゃんが乗っています」シールと並んで「犬が乗っています」と張ってある車も多々です。
フランスの車について書き忘れてはならないことがひとつ。ほとんどの車がパワステなしのマニュアル車です。素敵なおばあちゃまがハンドルを重たそうに回しながら車をウィンウィンうならせて走らせているのはこのためです。

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